こしあんルーレット/ハイドパーク
まんじゅうを
床にたたきつけた
「やってへんのやったら、これを踏んで見いや。」
踏み絵ならぬ
踏みまんだ
恐ろしいことになった
ごめんね
僕のアマゾネス軍団
でっかいゴキブリを
叩き潰した事のある
いかす立派なスリッパで
お父ちゃんは今
君達を踏みつけるよ
悪く思わないでね
これも生きるためなの
はうあ〜
おまんじゅうは
ビッチャって潰れた
「ほう、やればできるやんけ。
早くティッシュで拭き取って
トイレに捨てて恋や。」
はいって僕
元気良く捨てに行った
今トイレで
ぼろぼろな
まんじゅうを捨てる
人間よもう止せ
こんなことはナウ
しかしどうだろう
なんと一粒だけ
しっかり黒光りする
完全態が残っている
僕は指でツマミ
くちづけし
その娘を愛し始めた
「おばあさま、おっさんが落ちた
おまんじゅうを食べているよ。」
そうだったのか
わがむしゅこよ
お前がスパイだったのか
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