精神の熱狂/吉岡ペペロ
 
子宮のなかをゆく精子のようだ

ちいさな粒子数千まん

どこへか一点へとむかってゆく

この風はいつも唐突に吹いてくる

心にでも命でも魂にでもなく

この風はいつも精神に吹いてくる

この風をわたしは<虚無>だと感得する


精神は<虚無>の風にさらされている

それを幻視してしまうのは

精神だけがかってに

熱狂しているからにちがいない


子宮のなかをゆく精子のようだ

ちいさな粒子数千まん

どこへか一点へとむかってゆく

この風はいつも唐突に吹いてくる

心にでも命でも魂にでもなく

この風はいつも精神に吹いてくる

この風をわたしは<虚無>だと感得する






戻る   Point(3)