ひとつ 約束/
木立 悟
冬を去る
碧い碧い目
空に残される
胸は泡に 泡に苦しい
折った紙を 破れぬ苦しさ
やがて破る地の
こがねの足跡
息つぎもせず
話しつづけました
骨も肌も頬も目も
見つめ 見つめられました
かたちはかたちを
すぎてゆきました
薄紅が
透明になるときの音
髪に触れた指 ひとつ離して
まぶたのような
空にのせる
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