溺れ凍える/魚屋スイソ
るころ おまえはだれに殺されているのだろう 画家は眼球を引き抜きそれを塗料にし 音楽家は耳を千切りそれを楽器にした おれは首に手をあてがった 冷たい金属として海に落ち 乱反射しながら硬化するのだ はじめから指先は透明だった 煙草の火を消した スーツに袖を通し ネクタイを締める なにも息していない だれも降り積もっていない メロンソーダを水鉄砲に詰め ポケットに刺した 温度を下げながら 水は研ぎ澄まされていく ドアを開けた おまえはまだ寝ている おれはこれから自分がどこへいくのかを知らない
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