火を採る/kawa
 
暑い夜、居酒屋で
僕たちに起こった出来事を話す
そうだ僕たちは
つねに正しくはなかった


明日からも
会おうと思えば会えるけど
もう、少しずつ離れてゆく
そんなのは、はじめから分かっていたことだ


帰り道
細くきれいな三日月が見えた
こんなに明るい街で
星も見えた
あれは何だろう
きっと恒星に違いないのに
都会の空では分からない


時間に流されながら僕たちが
やがて見つけるものがあるとしたら
それはいくらかの後悔と
共にいた人との思い出ではないだろうか


僕たちは、うまく生きることはできなかった
でも君と会えて
本当によかった


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