ガロア群へようこそ/Giton
 
ち出した。「きみら
はぼくの名前を付けてガロア群と呼んでいる。
ひとつやらせてみようか」彼が走り書きした紙
を宙に投げるとたちまち無数の巨大な三角の光条
  .
が走りぼくらの周りは目を開けていられないほど
の明るさになったやがて『群』――光のベルト
が現れその下にやや小さなベルトが現れさらに
つぎつぎ新たなベルトが誕生し一列に並んだたくさん
  .
の光の環が互いに捩れ合って揺れていた
そのとき天使の羽根を持つ青年はぼくの頭を掴ん
で「そら!」と下に向ける足下を見れば例のガウス
の大車輪が動きを止めて静まりかえっていた
  .
ガロアの笑い声が虚空に響く「どうだ!威張り腐っ
たガウスの爺いなどこれで形無しだ。」生意気
な不良少年裸体の天使がぼくの背に腕を回す
ばさっと音を立てて彼の翼が羽ばたいた
  .
目眩めく4次元空間の飛翔どこへ向かっているのか
も解らない彼の熱い吐息がぼくの耳に触れていた:
「ここから先はきみがぼくの身体と交わって一体
となったら教えてあげよう。それまではお預けだ」
  .

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