粉雪/
吉岡ペペロ
道を白くさせるていどの雪が
ちいさくすうっと落ちてゆく
あれから16年
あの竹の切り口にも落ちてゆく
それはろうそくの火で瞬くまに乾いた
混乱はやんだ
喪失だけはいまだ落ちてゆくようだ
ああ、雪よ、粉雪よ、おまえはどんな成仏をお望みなのか、
16年後のベッドの枕を
唇をあて重力で抱きしめるようにして
道を白くさせるていどの雪が
ちいさくすうっと落ちてゆく
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