クリスマスの傾斜/田園
描く貧しい食卓は、いまの世の中であってすらリアルな青い光を放つ。
夜毎に輝くネオンの裏に、子供たちの祈りがこもるバイトのサンタに、
つかのまの美しさと、途方もない絶望を感じる。
放置された全盲患者は、公園で何を思っただろうか。
人の気配も街のイルミネーションも関係ない、全くの暗闇。
その暗闇は、別に誰彼に限定する事なくやってくるのだけど。
綺麗で正しいものの裏側を、うまく隠しきれなかった舞台の上で、また一日を暮らさなければならない、人という種。
己の悲しみを、ごまかしきれなかったピエロの舞は、天上天下のずれたこの世で、きっと今日も行われる。
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