寒い夜の即興/
橘あまね
風がつんざいて
熱量をうつして
新しい季節がやってくる
しがみつく指を
切り落としながら
方角をなくして
こごえる鳥
さみしがりの
喉いっぱいに悼む
星をめざして進む歌が
夜半
成長する刃の
しろい切っ先に
裁かれている
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