わたしが好きな詩人 ミーハー主義的雑文 1/るか
詩人というと、萩原朔太郎の名が第一に念頭に浮かびます。いまでは古
典といってもいいように思う。国語の教科書やサブテキストにも作品が収録されて
いる。勿論、当時は何も難しいことは判らなかった(今もですが)。象徴主義もロ
マン主義も、てんで意味が判らなかった。ただ、こんなに少ない言葉で、何だか恐
ろしいほどにリアルな情景が喚起されてしまうという事実に瞠目させられたし、そ
こではじめて「ああ、これが芸術ってやつなんだな」と、文化的なものとは縁もゆ
かりもない、北辺の田舎町の、零落した家に生まれ育った子供のわたしは、(おそ
らく)瞳をきらきらさせて、思っていたものです。
今ではあま
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