ドップラー効果の向こう側に 消え去っていく/真島正人
 
{引用=
塩なんかで何を清められるというのか
遠くの国ではそれは
死の恐怖を意味するのではないのか
恐ろしいもの、
震えのくるもの
餌付き
餓え
苦しみが
全部まとめて業火の
炎に焼かれる
火柱の先にいるのは、
人間だ
先端の技術だ
愛だ、
舌だ
愛なんて口先三寸
舌の味覚帯と結婚している
下のほうとも繋がりあるぞ
エッチな汁で
出来ている。

たまらない、たまらないな、
冬の空の下
どうってこともない風が吹いている

信じられないよ、って
つぶやいて
風が体の中に入り込んでくる

ここはなんてこともない、
球形の剥げた公園
都会の町
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