無差別/虹村 凌
下らなく
だらしない冗談
誰かの分厚い人間の面の皮に
昔から閉じ込め続けてきたであろう自分の面影みたいなのを見る
出会った数とさよならを言う数のどちらが多かったのか
柔らかい乳房に抱かれて遠のく意識の中
羊を数えるみたいに数えてみたりする
途中で訳がわかんなくなって
こうなったらもうガンガン金稼いで札束でビンタしてから
もっと美味しいカレー作ってやる
とか言って眠りに落ちる
冷たいフローリングに膝を何度もぶつけて何度も目を覚ます
黒い影の背中はこちらに向けられたままで
その背中に殺したくなる様な夕日の赤を塗りたくってから
無差別級の人生について考えながら
豆腐にぶつかって死ぬ夢をみる為に再び目を閉じる
「刃渡り20世紀」とか言って喜んでいる奴等と
言っている事は大差無いから
豆腐にぶつかって死ぬ夢をみる為に再び目を閉じる
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