月曜の朝/花形新次
怖くても
震えてはいけない
月曜の朝に
震えてはいけない
胸の分厚い脂肪と頑丈な骨の向こうにある
ちっぽけなポンプが
か細い悲鳴を上げようとも
決して震えてはいけない
震えることは負けることだから
改札を通り
大波のなかに消えていく
あの人もこの人も
きっと
ぶるるぶるる、と
今にも震えそうなのを
この冬の寒さのせいにして踏張っているのだ
おまえだけが
震えてはいけない
おまえだけが
震えてはいけない
怖くても
震えてはいけない
月曜の朝に
震えてはいけない
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