「すばらしいうた」/ベンジャミン
 
せつなさもいらない

たとえば寒風にすすり泣く
名前も知らない野の草が少しばかり早く
あたたかな春を予感できるような

そんなうたをうたおう


   ※


すばらしいうたをうたおう
すばらしいこころでうたおう

何かをしぼりだすような苦しみはいらない
見わたせば見えるような喜怒哀楽を今は忘れて
あなたを包んでいるぬくもりを感じてみよう

きれいなものやうつくしいものでなくていい
誰もが持っていて誰もがふだん気づかずにいる
一生懸命になるほど遠ざかってしまいそうなもの

夢の中で手をのばしてもつかめないもどかしさを
ただ無心で追いかけるような気持ち
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