アパート/番田 
 
私は眠る
一人で 今日も 歩いた
その 夜を 出て行こう
いつまでも 私は 眠るのだ
季節の移ろう窓に
明日のことなど 何もかも 忘れた


誰もいない 暗い 墓場で
思うことは 私は そこで 何もない
凍える体を ひとり 横たえた
いつもそうして 言葉を 失った日に
何でもない 死んだ 思いが
黒く塗られた 棺桶の中で
誰であることもそこで 全て 無くした



棺桶の中で 私は 稲妻を 見た
それは 黄色く光る 閃光だった
私は 目を 閉じた
確かである 何かを 探した
目を閉じた 暗闇の中で
彼女と二人の体育倉庫で
カラオケボックスの中の人か
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