寒い日の夜/番田
ばんでいる
人を見た
流れ出していく時に
夢見た時間が存在した
誰でもない街に
私は思いを取り出した
何度もそこで握りしめた
枯れ果てた思いを
都会の路上に 私は立たせた
*
回りくどい 思いで 聴いた
ステレオの ダイヤルを 回し
最後の リクエストを 入力した
流れはじめた 外の 世界
私は いったい 誰なのか
握りしめる この 手の中に
持ち寄った 思いは すでに 無い
破れかぶれの計算で 飛び出した
遠い日の体が ひとつ 蘇る
街の中で 思いを 私は 叫んだ
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