寒い日の夜/番田
私は眠る
一人で 今日も 歩いた
その 夜を 出て行こう
いつまでも 私は 眠るのだ
明日のことなど 忘れたのだ
誰もいない 暗い 墓場で
凍える 体を ひとり 横たえた
言葉を 失った 日に
何もない 死んだ 思いが
いつも 流れ出した 世界で
アルバイトであるこの私の体が漂う
*
身分証明書を 私は 持った
風の中で 私は 見た
透明な 輝きの ビニール袋を
思う 色に それを 塗り上げながら
衰退し始めた この 思いを
ひとり 私は 省みている
橋の上で それを 見た
色々な 風として 私は そこで
辛い マー坊豆腐を ついばん
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