黒い服の少女/
こむ
少しだけ陽がさしこむ
ほの暗い部屋
とても不思議な物語の本が
いっぱいに並んだ本棚に囲まれて
黒い服の少女が 座っていました
日がな一日 何も言わずに
物語を読んでいました
古い古い木の机と
座り心地のいい木の椅子
ある日 少女はふと部屋を出て
それきり帰って来ませんでした
私が部屋に入って 本を開いてみると
真っ白なページ
真っ黒なページ
少女の読んでいた物語は
私には 読めないのでした
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