姫はじめの女/はだいろ
ころか、
吹きだまりのように吹きだまる、
くだらなさの埃。
もう何も感じないよ、感じる必要がないから。
ぼくの寝床から、
いくらなにを書こうとしたって、
けっきょく、
ほんとうに誰かのこころに立ち入ることはできないに違いない。
ぼくはくだらないことをやりすごして給料をもらい、
その給料を浪費することで、
魂の自転車操業をしているのだ。
カラカラ回転車を回すネズミのように。
そんな3万円で、
呼んだ女の子は、もちろん、
気に入ったから、会いたかったから、
会って嬉しいし、楽しいのだけれど、
女の子が、
愛想笑いから、
真顔になるときの、
あの一瞬
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)