おまえは誰よりも強い毒になりたいんだろう/ホロウ・シカエルボク
 

同時に同じだけ死んでいく自分自身を
気付いて惜しむ頃にはもうすべてが遅いのさ
ほころびた内臓にジャンクフードを注いで
鮮やかに高笑いするおまえの姿がおれには見えるのさ
そして、そう
誰よりも強い毒になって
本当にひとりになるのさ
誰よりも強い毒になってしまったのなら
そいつはきっと仕方のないことさ
すれ違うことを望むことが出来ないのなら
勝利だけがある戦場でおまえは毒であり続けるのさ
おまえは誰よりも強い毒になりたいんだろう
口に含まずとも触れるだけで命を焼いてしまうような
誰よりも強烈な毒薬になってみたいんだろう?
そして高みから見下ろし続けるのさ
絶対に手が届かなくなったいくつかのものを
自ら遠ざけたせいで届かなくなってしまったいくつかのものを
ほころびた内臓にジャンクフードを注いで鮮やかに高笑いするおまえの姿がおれには見えるよ
そうだよ、それは、本当は淋しいことなんだ
だけど殺戮の快楽にすべては麻痺してしまって
すべてに飽きてしまうまでそれには気付けないんだ




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