点描癖/岡部淳太郎
 
破線をだまして
進んでいく
なおもそれを記して
立ち止まりながら
何度も歩き直してきた歴史を反芻する
そうやって忘れてきたのだ
そうやって自らの
泥を隅に追いやっては
何もなかったような顔で
口を開いてきたのだ
いまや冬
当たり前に寒さはしみ入り
この身を内側から震え上がらせる
曇り空の下に伸びる
枯れ枝の中で
すこやかな病の間を転々とし
始めるたびに
終えるたびに
慣れない手つきで
描いてきた
電波が断続的に人に押しつけられ
笑いながら人は
穴のように丸く
氷柱のように鋭くなっていく
またしても忘れて
意味のない始まりを
体験していると
その
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