ある故郷/
番田
つも シーツに眺めた
窓の開け放たれた 大気の中で
黄色く流れていくものをいつもこの手に描こうとした
*
水色がかった 虹色をした プールの風景を
私は そこで 泳いでいたいと思っていた
流れるプールの中を無数に散らばっていく競泳水着の世界を
ぼんやりと 私は 写し取っていたかったのだ
私はもうじき夢から覚めていくのかもしれない
願いですらなくなった言葉にさせられた
得体の知れない物語の中を私はぼんやりと歩いていく
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