ある故郷/番田
何にもない世界で寝転がれば風が気持ち良かった
どこにいたって私はいつもそう思ってた
息を切らしながら その流れ出ていく 風の中で
いったい 私は どこに 流れていくのだろう
人は過ぎた時間を振り返ろうともしない
それは いったい なぜなんだろう
人は時代を振り返ることなく生きていく
いつも その様子を 私は椅子の上で 眺めていた
遠い国の彼方を飛んでいくそんな翼がほしいものだと
人間ではないのなら楽しいと思えるのにな
悩みというのはいつもこの部屋から始まっては消えていくみたいだ
明日を思いながら 倒れこんだ ベッドの上で
光のない 星々を いつも
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