東京スカイツリー(仮作)/rabbitfighter
 

ガレー船や潜水艦の残骸が横たわり
二度と浮かび上がることのない産業廃棄物や核廃棄物が
忘れ去られた文明の遺構に鎮座している
それは美しくて悲しい光景
だけど恐れずに僕たちは進もう
水深は2000メートルを超えただろうか
深まるたびに濃い青が地層のようなグラデーションを描き
僕たちの両脇には漆黒の深海
食べるものも飲むものも見つからない
だけどそれでも僕たちは進もう
もうじきカバンの中のチョコレートを僕は思い出すだろう
二人でそれを半分に分けよう
でも何故だろう
美しいと感じるものほどかなしい
君が美しいのは別に
悲しいからってわけじゃないのに
そうだよね
道は
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