ー冬日双詩ー/生田 稔
○冬日在居
メダカ動き、妻しきり歓び
めずらしや、めずらしや
と言う
正月、真冬なり、寒し、されど
外は、陽の光うるわしく
時は正午を過ぐ
しきり妻と共
何処へか出向かぬかなど談ず
昼なるに燈火に親しみ
暗き部屋に在り
詩を書くは悪ろしや
詩を書くはいずれにせよ良し
部屋に在りて。
○冬日外出
青空に、
絹をのべたる
細雲の
冬の日の道
辿りたれば
行く手はなくも
あるやもしれず
午後の外出
ときめきの胸の思いの
この詩の終わり
なくて、この辺りにて
止めんかとも
思うなり。
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