かたられすぎ、とうとつすぎ/Six
 
「一人千円」という設定で、さらっと1時間ほど皆で酒を飲んで、店の外に出ると満月が上空に眩しく、笑みを浮かべながら家に戻った。道すがら、今度はこういう酒をアノヒトと飲みたいなあ、と唐突に頭にひらめき、その発想は自分でも悪くない、悪くないどころか上々じゃないか、と根拠の無い確信を抱きつつ、郵便受けを見ると、まさにアノヒトからの郵便が封書で来ていた。鞄と脱いだ上着と郵便物を抱え、玄関を開けて部屋に入り明かりを点けて、着替えに行くより先に、アノヒトからの封筒を開いた。いつもより丁寧に書かれた宛名の文字は、その時は全然気にならなかったのだが、封筒の中には薄いカードが一枚。カードには短い文章が書かれていて、最
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