マリの唄/吉岡ペペロ
さいしょは地べたにふるえてた
みみをしょんぼりさせていた
飼い犬きんしのマンションの
ちかくは気持ちのいい公園
朝焼けいろの黄いろい景色
それがマリの毛穴にはいっていやした
公園をマリとさんぽしている
世界のあらゆる存在は
気づいていようとなかろうと
世界のあらゆる存在に
いやしをくれているんだろう
遠いどこかの身近なところで
あたしも世界をさんぽしている
あたしは世界をさんぽしている
さいしょは地べたにふるえてた
みみをしょんぼりさせていた
飼い犬きんしのマンションの
ちかくは気持ちのいい公園
湿った木々や落ち葉の匂い
二年をかけてマリは回復していった
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