WE あるいは 接続の魔術/真島正人
 
{引用=
先が尖っているので
さらに研ぎ澄ませて
接続しろ
差込口は
広げておけ
僕たちは
友達だ
だから
君の肌が冷たくないように
心まで閉じてしまわぬように
先は
氷に浸して
尖らせておく
もっと
さらに
奥へ
奥の部屋へ
そしてやがては
偏在を詠う

詠うことができる日まで



「私たち」は
ほかの言語で
「WE」と書く
そこにある「WE」は
陽だまりの子猫のように
やわらかくて重い
子猫の肉体の中に
入っている鉛が
廃品回収車と
接続される
陽だまりが瓦解して
「私たち」の
明日が始まる
クリームソーダを

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