正月の街の幻想/番田
風はとても強すぎるよう。ローラースケートやスケートボードを押して坂を下っていた頃は、とても元気なものだったと思う。今でもそんなことをすることは可能だけれど、そんなことをしたとしても、恋愛のように夢中になれるかどうかはわからない。
正月の街はあまりに寂しすぎて、ひっそりと静まりかえった風景はまるで死んでいるかのように見えた。ネットでは少子化問題についての特集をやっていたけれど、10年後に想像されたかのような景色の感覚として感じた。街は静まりかえっていた。私はポケットに手を突っ込みながら歩いていった。誰に会うというわけでもなく、ただ食料を探しに出かけた。コンビニは開いていた。ところどころの人
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