暖かすぎる不特定多数の個室から/ホロウ・シカエルボク
 


古い恐怖を貪る獣の鋭利に過ぎる牙の後、幾つかの肉の階層を突き破り血管に達する
悲鳴は秋の虹の七色で、ほうら、憧れの世界まで届きそうだよ
睡眠不足で半ば閉じた目の玉が見つめるものは
どことなく子供のころに、見つめてたものとよく似てた
サンタクロースと神様を、同じ頻度で愛してたあのころの12月
プレゼントと両親が余りリンクしなかったのはどうしてなんだろう
浮かれた世間の酔いに当てられ身体が余計な熱を持つ、エア・コントロールが適切じゃない
血管の中に混じった不純物が、不特定多数な個室の中で歪んだ自我を凝固させ
存在の悲しみにねじ曲がるまなこはまるで冬の鼠の死体のようだ
中央公園
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