馬鹿は死ななきゃ治らない/虹村 凌
められて行く感覚
逃げたい
遠くに逃げたあいつのようにしがらみが嫌でつるむ事を避けてどこか遠くへ
生きるとか愛とか全然わからないし
戦うとか優しさとか全然わからない
何も答えが出ていない事に対する焦燥感
10年前を若かったと笑える感覚と笑えない感覚
たった25年
じりじりと焼けただれた卑怯さを身にまとい
どうにかこうにか笑う
俺は上手く笑えているのか
馬鹿になりてぇ
馬鹿になりたくねぇ
中途半端に疲れっちまったけど
俺は俺を信じてやれねぇよ
もう抵抗も出来ない
緩やかに迎合する一方だ
どんどん格好悪くなる
どんどん丸くなっていく
こうやってだらしないギャグをぶら下げて
俺みたいな顔した奴が嗤っていやがる
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