雪の降る夜/砂木
寮生活をしていた頃の事
玄関に来てくれと伝言がきた
同じ部屋の同期入社の子が大変だという
数名のいつものメンバーが見に行くと
大きな台車に 彼女がぐったり横になっている
歩けずに 意識もあやしい
あきらかに飲みすぎだ
深夜 門限を過ぎて女子寮は
慌しい雰囲気につつまれた
なんでこんなに飲んだのよ
ただ荷物のように運ばれる彼女に代わり
一緒にいた友人が説明するには
北の方の男性と喧嘩になってね
どっちの故郷がいいかって
しまいには ウイスキーのストレートいっき飲みで
決着をつけようと言って 飲んで勝っちゃったんだ
飲み干しちゃったんだよ
南国の女性
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)