風葬/たもつ
 
 
 
指先に砂漠の跡
そして爪という爪、
陽炎に揺らめく廃屋の一群
排水溝を清掃する団体職員、
その煤けた
人は物だから
光に影をつくる
坂上、とだけ書かれた表示板の下に
肉も無くただ落ちている
小さな骨片
拾い上げて余白に署名する
生きていることへの
ささやかな抵抗
やがて風葬
 
 
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