はるかぜ/kawa
 
僕は白く色のついた風の中に立っていた
見渡すかぎり真っ白で
春のように温かだった
風に背をむける
その行きつく先をながめながら
とてもかなしかった
なぜかなしいんだろう
と、考えてもわからない
ただ涙がぽろぽろこぼれる
やがてこれはかなしいんじゃないと思う
べつに呼びかたのある気持ちだと思う
でもわからない
僕は子どもだったころを思い出した
するとますます涙はこぼれた













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