クリスマスツリー点灯式/北大路京介
 
少女は、じっとこっちを見てて

もしかしたらボタンを押したいのかなぁとテレパシーめいたものをキャッチして

アイコンタクトをかわして、かるく手招きすると 少女は こちらへ走ってきた

それを追いかける お母さん。

僕は、良いんですよ と微笑んで ステージの上に親子を迎え入れた



僕が押す予定のボタンを 親子と僕と3人で押すことになって

けっきょく 女の子に押させてあげることになるのだろうけれど



16時半の少し前から カウントダウンが始まって

5、4、3、2、1

「押して」「押して」 

女の子は、押すというより叩く感じでスイッチを押
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