朝/
英水
匂い が鼻腔の奥で 時に震える
蜂が 寄ってくる
他の男達もが 寄って来る
そんな 匂い をまとって街をゆく
手の平をよせて そこにあなたを思い描く
地下鉄の中で 静かにほどいて
誰にも見られないように そっと
窓の向こうを流れる暗闇に あなたを映す
あさ! 出撃の体勢は整った
Koenigs-platzで
信号待ちしている車に見守られ
僕は凱旋門をくぐって渡る
あなたの匂いをまとって
僕は凱旋門をくぐってゆく
戻る
編
削
Point
(1)