朝/英水
 
匂い が鼻腔の奥で 時に震える
蜂が 寄ってくる
他の男達もが 寄って来る

そんな 匂い をまとって街をゆく
手の平をよせて そこにあなたを思い描く

地下鉄の中で 静かにほどいて 
誰にも見られないように そっと
窓の向こうを流れる暗闇に あなたを映す

あさ! 出撃の体勢は整った

Koenigs-platzで
信号待ちしている車に見守られ
僕は凱旋門をくぐって渡る

あなたの匂いをまとって
僕は凱旋門をくぐってゆく

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