聖夜  明滅する命/いねむり猫
 
命を 自分以外の命を 本当に守らなければならないのか


これら命への問いを 

聖夜の司祭である おまえに
預けよう

命の 明滅する輝き
木々に宿る 星々のまたたきを 
いつ絶えるともしれない まれな祝福として
いとおしむ 

そのような仲間たちを  
探す旅を始めるのだ 今夜

だから おまえの濡れた体を 暖かいタオルでくるみ
その細くなるばかりの息を
ミルクの力で 太く育て 
糸のように細い視線を 
生意気な光で満たしてやろう
うなだれたひげを
針のようにするどく立ててやろう

喰われる命は 喰らう側の命に直接届かなくてはならないのか

ただ孤独に明滅する命は 
せめて土に触れ 太陽と雨が降り注がなくてはならないのか

どれほどか弱い 未来のない 命でも
生き続けてよいのだと おまえが教えてやってほしい


この聖夜に 明滅する命たちを
探す旅に 


一緒に行こう



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