命ある限り君に/朽木 裕
物憂げなまま空は逝く
少し濁ったように雲がかかった夜の空
ベランダにいる私の吐息は白く
素足はどんどん冷えていく
云いたいことは山ほどあるけれど
どれも言葉にはならなかった
思うことは山ほどあるけれど
頭の中で糸が絡まってほどけなくなった
逢いたいって思うことはいけないことなの
抱きしめてて欲しいって思うことは情けないかな
生きていて息をして貴方を見ていたいと思う
今、私が死なずに生きていられるのは私の人生に貴方がいて
貴方が私を人生にいれてくれたからだよ
生きてさえいれば、いいことはあるなんて月並みな言葉
貴方がいなければ信じられなかった
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