Winter Solstice/月乃助
 

私は、
私の中の女を捨ててしまう


それは、去勢された宦官のような男になるのではなく
子宮の導く声をうとましく思うことでもないのです


やわらかな体は、
それが宿すものをあまりに制限するものだから
私は、女を口実にして生きてきた


だから
赤い月が耳を切り取るように
その身を
欠けてみせる


潮溜まりが
そこに映す空を手に入れたよろこびや
磯に打ち上げられた枝の
色をかえぬ緑に嫉妬しながら


残されたものをひろいあつめては、
すこしばかりの期待で
容赦のない潮風を、
おしかえすために


私はある






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