居場所/一 二
の砂浜から見える海の向こう
陽光煌めく細波の果てに
感覚が途絶えた後の
自分がいる場所が見える
ここから見えるその場所は
少なくとも、ここからは
悪徳と不貞だけで
動かされているように見えた
あの場所は水平線の遥か先だ
けれども、この感覚が途絶えれば
こんなにも、ここから離れているのに
気が付けば戻されている
「受け入れなかったんじゃない
受け入られなかったんだ、あの場所に
けれど受け入られなくても
また、あの場所に戻るのか…
今が永遠に続けば良いのに…」
声に出す訳でもなく
思っただけなのに
妹は、こう応えた
「永遠は、ここにあるよ」
い
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