Space Captain/……とある蛙
その昔 俺は 宇宙の中を飛び回っていた。
織り姫に懸想して、彦星から追われもした、
白鳥の首根っこも押さえもしたし、
ペテルギュウスのおならも嗅いだ。
オリオンの楯を盗んだり
カシオペアの辺りを行ったり来たり
結局なんでもなく女房子供に囲まれて
この地球で親父になった。
その昔 俺は たくさん星屑を集めて
アフロディーテにプレゼントしたり
マルスやバッカスと
酔っぱらって殴り合いの喧嘩もした。
ジュピターをからかって
奈落の底まで追いかけ回された。
しかし、
記憶の始めと終わりはあっけないもので
たくさん宇宙船に詰め込んだつもりだったが
ほんの僅かしか積んでいなくって、
宇宙の塵のような物だった。
だけど死ぬまであいつら星達と一緒だ
だけど死ぬまであいつら星達と一緒だ。
あいつらに俺は見えないけど
俺は顔を見上げるだけであいつらが見える。
だから死ぬまであいつら星達と一緒だ
だから死ぬまであいつら星達と一緒だ。
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