黒/
AquArium
分かるよ
なんて安易な理解を示して
頷く景色に飽きてしまったから
飛び込んだ人波で古傷がまた開いていく
もつれた足も全部誰かのせいよ
行きか
帰りかも
分からない乗客の寝顔は皆、
酷く疲れている
始まりと終わりが集う場所では
感情を殺さないと息ができなくてさ
一瞬だけスローモーションの群れが鈍く響いている
此処は何処だろう、
考える暇もなく過ぎていく
此処に在る意味を思うことほど
残酷なことはないよ
露光していく身体が叫んでいた
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