こない、こない!/
竜門勇気
彼女はもう
僕のために家の鍵を閉めたり
僕のために切符を買ったりはしないだろう
それでも待ってる
雨が降ったり 晴れたりする
ハムエッグは恐ろしい化け物になって
僕を噛み砕いたり 投げ飛ばしたりする
へそを見るともっと恐ろしい化け物がニヤリ
「おまえ、笑われてるぞ」
冷たくて冷たくて
なんだか変だ
辞書の表紙で出来た指で
体中をなでながら
悲しさに身を任せて黙ってる
いつまでも黙ってる
彼女はこない
彼女はこない
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