耳、冷えよ!/
kawauso
君の家への下り坂を
夜の空気をひきつれて
自転車はひた走っていく
白いコートの女性は
電話越しに笑う
コツコツと地を叩く靴は
打楽器のよう
二人の少年は
マウンテンバイクに乗っている
顔を見合わせ、ニッとして
青白い闇へと消えていく
無人のタクシーは
ぐるるるるるると音をたてる
お腹をすかせて
街に餌食を探しにいく
坂を下れば君の家
耳、冷えよ!
ちくちくと痛むほどに
君のほっぺにつけてやるのだ
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