教室というところ/
たもつ
すべての子どもたちが夢や
夢とは違うものを見ている頃
誰もいない教室では
白墨が生徒の名前を
一人一人板書している
名前の下に記されているのは
その生徒にあった今日の出来事
何もない日などない
平凡な一日という
言い訳があるくらいで
白墨がすべてを書き終えると
黒板消しがそれを消していく
翌朝ばれないように
日直の残した模様を正確に真似て
ただ白墨だけが心もち
短くなっているけれど
教室とはそういうところ
たぶん、そんなところ
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