冬のお金/番田
白いとても大きな雪だるまにして
思いを流れないのは自分自身の体だ
窓を見ながら一人 ぼんやりと 私は流れる季節を見ていた
また そこでひとつ 流れていた 私は
誰の言葉も見ている そこに なくしている
そこで なんとなく また物語が 始まった
手に もうすでに 私の預金口座の残高は 残り少なかった
言葉の世界の中で冒険は輝いている
そこで また私ではなく 流れていく
私は こっそりそして 手にした
私はティッシュの塊を丸められた手に
数少ない 一枚のポケットの中の コインだ
白いその手を ジーンズの小さなポケットに つっこみながら
輝きながら流れるそのひとつ
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