廃墟遊戯/
有邑空玖
壊れた窓枠に夏草が絡んで居る
肺の中に迄拡がって其れは
あたしの息の根を止めてしまう
「廃墟は未来だ」と云った
行く末を知って居るかの様
不変なものなんて無いのだろう
空の青さも日に日に変わる
爪先から腐り果てて土へと還ってゆく
何よりも恐ろしいのは時の流れ
到底逆らう事の出来ない速度で
「廃墟は未来だ」と云った
明日は遠い過去に成る
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