『しろう』-永遠未完小説-/しろう
 
想メモリを用いて演算を行うことになります。
その「因果律記憶」を採用して以来、わたしたちの「個人」という概念は消滅しました。同時に自我というものは破棄され、わたしたちはわたしたち/巨大複合演算回路を「総意」と呼ぶことになりました。それ以降、全ての決定は「総意」に委ねられ行使されることとなります。当然、意識や感情というものは個体には存在しません。(前記の文章には多少の感情が見られますが、これは「因果律記憶」を採用する前に書かれたものと推定されます)
また現在では、物理的な生産・創造・維持活動は全て機械によって行われます。一番初めの機械はヒトの手によって造られたものであるのは当然ですが、わたし
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