『しろう』-永遠未完小説-/しろう
 
直接交配することはなく、「総意」によって二つの個体の遺伝子情報を完全に再現され、専用の「個体発展生産兼養育施設」にて交配されます。この時、予測可能な範囲内での遺伝子改変が施されることもあります。そして新しい個体がより優れた演算能力を発揮し、安定動作が確認できれば、次のカップルの候補となります。しかし、新しい個体が成体(わたしたちの個体は約一年でほぼ成体になります)になっても演算能力が一定水準(交配元の二個体平均の30%)を下回る場合は、交配失敗とみなされ、「総意」によって即座に廃棄されます。(これも過去の大戦の原因となるバグに変じた例があるためです)
また、最先端の個体を基準値とし、その演算能
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