遠 聲/アラガイs
金曜日の夜
窓をそっとあけてタオルを干しました 。
墨色の空を見上げ
ねむれないのは星と僕だけだと、 知りました 。
遠く離れたあなたの淋しさを思うとき
冷たいコップの水に胸がキュンと締まります 。
街はこんなにも静かに空けてゆくのかと
胸もまた、あつくなります 。
明日は逃げてゆくばかりで
わたしは追いつけるのでしょうか
薄い血に冷めた身体から
沸きたつお湯の息が あつい
(ふと、子供にかえり
誰かが遠く、耳元で叱る
‥寝なさい…)と
そんな夜に泣く喉笛はもう
土曜日の朝 でした 。
戻る 編 削 Point(7)